2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

新型コロナウィルスの緊急性の高い13症状リストを解説

新型コロナウィルス感染症の自宅待機で亡くなられた方が報告され、緊急性の高い症状は何かということが議論されるようになりました。 私のブログでは、4月4日の「地震災害時と同じように準備しておいてください」の記事の中で「軽症で自宅待機の時に、どの様…

「区別毎の行政単位」で分けられる医療体制について

品川駅は港区高輪三丁目および港南二丁目、目黒駅は品川区上大崎、新宿高島屋は渋谷区千駄ヶ谷5丁目にあります。 私たちは自分が何処の区に住んでどこの区で働いているかを意識することは少なくなってきました。 しかし、行政は区の単位で構成されている組織…

新型コロナウィルス感染症がインフルエンザと致死率が同じではないという話

新型コロナウィルス感染症の致死率は、我が国で2~3%になっています。 しかし、潜在的な感染者数は、発表されている感染者数の10~100倍程度いるのではないかと予想する科学者もいます。 そうだとすれば、致死率は約3%の10分の1~100分の1で0.3%~0.03%とな…

新型コロナウイルス感染者に対する大学病院の取り組みと期待

アメリカ、ニューヨーク州のクオモ知事は新型コロナウイルスの抗体検査を約3000人に実施したところ、およそ14%に抗体が確認されたと発表しました。ドイツとオランダとの国境に近いガンゲルトの町での抗体検査からも14%がすでに抗体を持っている即ち感染し…

貴方の首はキリンのように伸びますか?

新型コロナウィルス感染症との戦いは長期化の様相であり、山中伸弥教授は「これはウィルス感染症との戦いというより、共存である。」と発言されています。まさに世の中はAfter coronaからWith coronaへシフトしています。「ソーシャルディスタンスで人の集ま…

新型コロナウィルス感染症との戦いが終わった後の自分が、今の自分にかける言葉とは

先日、30代の友人の医師と話していたら「新型コロナウィルス感染症は自分たちの世代が初めて死を身近に感じる疾患で今までで初めて味わう感覚です。」と言っていました。私は61歳なので、自分が感染したら死んでしまうかもしれないという感覚があります。ま…

新型コロナウイルス感染症拡大の中で行動変容の重要性を考える

皆さんは、新型コロナウィルス感染症拡大の中、ご自分が置かれた状況をどの様に考えていらっしゃいますか? 次の2つの文章は全く同じ事実を語っていますが、受け取り方は随分違うと思います。1,日本では約1万人の患者さんがいて、約200人が亡くなっていて死…

サーベイランスとしてのPCR検査の価値

新型コロナウィルス感染症対策として、コロナ疑いの人向けにもっと容易にPCR検査をできるようにするべきだという主張は多くの研究者の中にもあります。私も感染拡大が起こった今は、初期のクラスター対策に加えてPCR検査が必要と思っています。理由はPCR検査…

新型コロナウィルス感染症に対する治療薬やワクチン開発について考える

現在新型コロナウィルス感染症に対する治療薬として、抗HIV薬(ロピナビル/リトナビル)「カレトラ」、インフルエンザ治療薬「アビガン」(ファビピラビル)、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」、ぜんそく治療薬「シクレソニド」、膵炎治療薬「ナファモ…

新型コロナウィルス感染症に対する我が国の対策のこれまでとこれから

新型コロナウィルス感染症は、人の交流を制限すれば、感染が収束します。ウィルスは人を介して感染を広げていくので、感染力が高いウイルスでも感染した人が他の人に接触しなければ、感染は広がりません。これは感染症対策の真理でありますが、日本では法的…

オンライン診療の問題点

新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、オンライン診療の一部が認められるようになってきています。これを機会にオンライン診療が定着するかという議論が多方面で行われていますが、普及には幾つかの問題点があると考えています。 先ず、診療上の問題です。急…

新型コロナウイルス感染拡大で医療の質が変わる

新型コロナウィルス感染拡大によってリモート診察などはマスコミでも取り上げられていますが、それ以外にも医療の質的な変化は既に起こっていると言えます。 風邪でクリニックを訪れると、口を開けさせられ、舌圧子という平たい金属で舌を抑えられ、喉の奥を…

行動変容と政府や都の声明

私は2016年我が国の大学で初めて慈恵医大で行動変容外来を設立し、生活習慣病の患者さんの診療にあたっています。新型コロナウイルス感染症に対しての安倍総理の非常事態宣言を始め、小池都知事の声明の中にも「行動変容」という言葉が躍っていますが、どの…

新型コロナウィルス感染症との戦争に勝つという言葉について考える

新型コロナウィルス感染症との戦いを戦争に例える指導者がいます。米国のトランプ大統領もフランスのマクロン大統領も国民にその様に訴えています。「私たちの国民は新型コロナウィルス感染症との戦争に勝つ」と国民を鼓舞しています。しかし、これは人とウ…

感染者数の増加とPCR検査数の増加をどう捉えるか

東京都で新型コロナ感染症患者数が急速に増加しているというニュースを見た医療関係者ではない私の知り合いから、現状の公表されている数値をどう捉えているのかと質問を受けました。同様の興味を持たれる方々も多くいると思いますので、その知り合いに回答…

新型コロナウィルス感染症の患者数が増えることに恐怖を感じた日

4月8日16時に私のクリニックに47歳男性で1週間続く38℃の発熱と倦怠感の患者さんが受診しました。 その患者さんには味覚異常があり、呼吸器症状はありませんでしたが、胸部レントゲンで、典型的な新型コロナウィルス感染症を疑う像で、血液中の酸素飽和濃度は…

生活習慣病と新型コロナウィルス感染症の関係

高齢者、糖尿病、高血圧で新型コロナウィルス感染症が重症化するという報告があります。武漢の北京協和医院重症医学科主任の杜斌医師が1月に武漢で死亡した170人のうち半数近くが高血圧であることを報告して、WHOも高血圧を重症化のリスク因子としてあげて…

感染拡大に対する国としての方針と個人としての方針

新型コロナウィルス感染症に対して、イスラエルの歴史学のユヴァル・ノア・ハラリは、国としても個人としても価値観の変革が求められていると指摘しています。国としてどの様な方針で他国との関係を構築していくかには2つの選択があります。1.人的な交流を遮…

Post Coronaと健康マネージメントの必要性

新型コロナウィルス感染症の渦の中で、自分とは何かを考えることはPost Coronaで大切なことだと考えています。新型コロナウィルス感染症との戦いは必ず終わります、そして、Post Coronaの価値観は大きく変わります。自分自身も他の人も柔軟になり、皆さんの…

新型コロナウィルス感染遅延とウィルスの弱毒化

新型コロナウィルス感染症との戦いは、波のように激しさを増したり、小康状態を勝ち得たりして2-3年続くという見方がされています。今は最初の大きな波との戦いで、感染者数が増えるペースを抑えることが、医療崩壊を回避する方策がなされています。ウィルス…

必ず終わりが来る新型コロナウィルス感染症との戦い 

新型コロナウィルス感染症は感染拡大期に入り、医療崩壊の危機が迫っています。しかし、ウィルスとの戦いは必ず終わりが来ます。図は加藤厚労大臣が国民に向けて説明に使用した図(横山が作成)です。 水際対策、クラスター対策で患者数のピークを減らし、医…

イマジンを歌おう

新型コロナウィルスの急速な感染拡大が起こり、巷では安倍首相が緊急事態宣言を発令することの是非が盛んに議論されています。医療現場に身を置くものとしては、感染防御を優先してもらいたいので発令してもらいたいが、発令しない何らかの理由があるのでし…

新型コロナウイルスに必要な準備は地震災害時と同様に

新型コロナウィルス感染症で解っていることは、1.80%は軽症か無症状である。2.致死率は2.4%。3.急速に症状が悪化することがある。4.新型コロナウィルスに効くことが解っている薬はない。5.重症化した時には人工呼吸器や人工心肺装置(ECMO)を装着し、自分の…

新型コロナウィルス感染症に対するフェーズが変わりました。

テレビ番組では、新型コロナウィルス感染症への政府の対策としてマスク2枚とか現金支給の是非が、議論されています。 しかし、実際に起こっていることは、もっと切実です。 在日米国大使館は4月3日、日本に滞在するアメリカ国民に対し、「アメリカ国民が、も…

新型コロナウイルス感染症によってもたらされた初めての感覚

新型コロナウィルス感染症は今までに経験したことのない災害と言えます。そしてこの災害が世界規模で起こっています。世界規模で起きる故に、自国との比較や、この災いから逃れるヒントがないかという観点で、それぞれの国家の進んでいる方向が他国から評価…

マスクはコロナウイルス感染症に有効か?

昨日、安倍総理が全世帯に2枚ずつマスクを配布することが発表されました。 これに対して「全国民にマスクを配るならば、医療施設に配るべき。」とツイートした有名人がいます。 このやり取りを聞いて「いつの間に新型コロナウィルス感染防止にはマスクが必要…

新型コロナウィルス感染症によってもたらされる「生と死」の考え方

新型コロナウィルス感染症は高齢者で重症化しやすいということが明らかになっていますが、加えて、重症化しない若者が、無症状の感染者となって、世の中に感染を広げてしまうことが懸念されています。このような背景の中、私は医師として日々の業務の中で、…

新型コロナウイルス感染症の報道を考える

4月1日現在起こっている急激な患者数の増加は、3月中旬に気が緩んだ人々が花見に行ったり、カラオケやキャバクラに行ったことが感染を広めたとされています。その時に戻ってみると、当時、日本のテレビ局の多くが、「イタリアはこんなに大変なのに、日本では…

医療の立場から新型コロナウイルス感染症に対する向き合い方を考える

世の中は新型コロナウィルス感染症に対する情報に溢れています。しかし、コメンテーターもウィルスの専門家、感染防御の専門家、呼吸器内科の専門家、医療統計の専門家がいますが、全てのことが解る人はないと思いますし、番組側の意図や尺の問題もあり、少…

ブログ「医新伝心」開設にあたり

2020年4月1日、新しい医療の問題を自分自身の言葉で発信するためにブログを立ち上げました。 新型コロナウィルス感染症の脅威の中、どの様な情報を信じて良いか解らなくて困っている方も多いと考えたからです。 私は、2016年に慈恵医大で行動変容外来という…