新型コロナウィルス感染遅延とウィルスの弱毒化

新型コロナウィルス感染症との戦いは、波のように激しさを増したり、小康状態を勝ち得たりして2-3年続くという見方がされています。
今は最初の大きな波との戦いで、感染者数が増えるペースを抑えることが、医療崩壊を回避する方策がなされています。
ウィルスはパンデミックになると多くの人に感染するので、その過程の中で変異し性格を変えていく可能性があります。

スペインかぜは、1918年パンデミックとも呼ばれ、極めて多くの死者を出しました。
日本にも1918年で流行しましたが、これは第一波で、1919年に第二波が来ました。
このウィルスは1年間で毒性の強いウィルスに変異して、我が国においても致死率が倍以上になり、若い命を奪うようになってしまいました。

現在、感染者数が増えるペースを抑えるために推奨されているソーシャルディスタンスは、ウィルスを弱毒化するためにも有効とされています。
ウィルスが変異して、強毒性のウィルスと弱毒性ウィルスの2種類存在したとします

※以下の図参照(横山が作成)

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強毒性ウィルスは1週間以内に人の命を奪う毒性を持ち、弱毒性ウィルスは人の命を奪わないとします。
ウィルスが感染するには人を媒介する必要があるので、強毒性ウィルスに感染した人が1週間以内に濃厚接触者として感染すれば、次の感染者が、また感染源になっていきます。
しかし、強毒性ウィルスに感染した人が1週間以内に死亡しますので、ソーシャルディスタンスによって死亡するまでに感染源とならなければ、そのウィルスは世の中から消えていきます。
一方、弱毒性でヒトの命を奪わないウィルスは、ヒトの中で生き続け、社会に存在し続けます。
ソーシャルディスタンスは、ウィルスが強毒化しないためにも必要です。

※2020年4月6日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。