結論の出ない話を楽しむこと

先日、慈恵医大と関連している企業の方々の行動変容についての講演を依頼されました。

聴衆は、医師、保健師、会社の人事の方など様々な職種の方が、聴衆です。会場に来られる方もいらっしゃいましたが、Webで視聴される方もいました。

専門的な内容は、一般の方には面白くないですし、統計をまとめたようなおざなりな話もいただけません。

また、会場だけであれば、会場参加の方と一方通行でない話し方をするのですが、それだとWebで視聴される方が退屈な場合も出てきます。

あらかじめ、会場で回答してもらう方を準備し、内容も「健康」という一変的な考え方を掘り下げていくように準備しました。特に注意したのは、結論を話すのではなく、聴衆が「健康」を考えることで、講演が終わった後も健康について考えるようなシナリオにしました。

講演は予定通り、終わったのですが、クロージングリマークをした先生が「健康を考えても結論が出ない。」とまとめてしまいました。それこそが講演の狙いだったのですが、むしろクロージングリマークを批判的に聞いてしまった方もいるかと思います。

後悔することは「結論を話すのではなく、聴衆が「健康」を考えることで、講演が終わった後も健康について考えるようなシナリオである」との説明をどこなでするべきだったのでしょう。

結論の出ない話を楽しむことを慣れていない場所では、そのことが失敗だったと思います。

2024年4月10日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。