結論の出ない話を楽しむこと

先日、慈恵医大と関連している企業の方々の行動変容についての講演を依頼されました。 聴衆は、医師、保健師、会社の人事の方など様々な職種の方が、聴衆です。会場に来られる方もいらっしゃいましたが、Webで視聴される方もいました。 専門的な内容は、一般…

医師の視点と管理者の視点

私の所長を務めている慈恵医大晴海トリトンクリニックでは、今も発熱患者さんを一般の患者さんと厳格にゾーニングして拝見しています。 そのために、1日拝見できる発熱患者数は限られ、受診をお断りするケースもあります。 そのような診療体制を行なっている…

NEC本社ウェルネスプロモーションセンターで行動変容の話をしてきました。

一昨日、NEC本社ウェルネスプロモーションセンターで行動変容の話をしてきました。 NEC本社ウェルネスプロモーションセンターの保健師の方は、「健診結果によって社員の方に保健指導をしているとのことですが、なかなか社員の方のマインドが変わらない」とい…

行動変容外来の展開

私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックで行動変容外来を行っています。その内容に興味を持つ方が多く、今週もNECウェルネスプロモーションセンター、株式会社 タニタの他数社で講演を依頼されました。テレビの取材の連絡もありました。 昨日は、北里大学…

フェケアあるいはフェムテック

今度、「会社で女性活躍推進のために知るべき健康課題のリテラシー」についての講演を依頼されました。 当初は、フェケアあるいはフェムテックのように女性の生理的な状況に対しての会社のリテラシーを上げることが主旨でしたが、フェケアあるいはフェムテッ…

19歳の少年

私は慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長ですが、今年度退官となり、本日、大学の皆さんの前でお話をします。 正直申し上げて40年以上慈恵医大に身を置いて教授職を拝命できるとは思っていませんでした。 しかし、思い返してみますと一人の患者さんがき…

「それはないでしょ?」3連発

「それはないでしょ?」というふうに感じたことを3つ書きたいと思います。 愚痴に聞こえたら申し訳ありません。 1つ目は、町名変更です。私の住んでいる町の番地が昨年の11月1日から変更になりました。それまで簡単な連絡はあったのかもしれませんが、シレー…

大谷翔平選手の記者会見

新年、暗い話題が多いので、少し明るい話題で今年を始めたいと思います。 少し前になりますが、みなさん大谷翔平選手の記者会見をご覧になりましたか?爽やかで真摯な姿勢は多くの人の心を打ったと思います。 みなさんは、どのコメントが最も心に刺さりまし…

自宅付近の火事を動画で見る感覚

本日、私の家の近くで火事がありました。 私の家は、比較的古い木造家屋の密集地とマンションが混在する地域にあります。木造家屋の1つが出火元で、道が狭く近くまで消防車が入っていくことができません。そのため、比較的広い道路に消防車が停まって、ホー…

ジェンダー問題の多様性と医師としてのジレンマ

私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックで所長を務める65歳の医師です。先日、50歳の貧血のために受診された女性の患者さんのことをお話しします。 前日、他院で健康診断を受けて、赤血球が正常の半分しかないので、すぐに医療機関に受診するように指示されて…

医者のスキルのピーク

私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしていますが、今月65歳になりました。そろそろ定年で次の仕事のやり方を考えなくては行けません。大学にいると急がなくては行けない患者さんの対応は若い先生に手伝ってもらえますので、年齢によって衰えを感…

予想のできない社会

新型コロナウィルス感染症の7回目のワクチンとインフルエンザのワクチンを私のクリニックでも多くの来院者の方に接種しています。一方、発熱外来受診の患者さんは減っています。 9月までは新型コロナウィルス感染症が主体でしたが、何故か感染者数は減少し…

目の見えない方の睡眠

私は慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしています。11月6日までフィラデルフィアで米国腎臓学会に参加していたため、長らくブログもお休みしていました。 私は時差ボケには弱く、睡眠障害に悩まされます。 「眠れなくても目だけ閉じていれば、脳への情…

ストレスのコントロールとしての運動

血圧の管理で運動は重要であると考えられています。しかし、運動してもなかなか血圧が下がらない場合も多く、患者さんは「折角、運動したのに、血圧が落ちないのか」と思いがっかりされることも多いようです。治療として運動を捉えると、その効果の低さから…

ストレスのコントロールとしての運動

血圧の管理で運動は重要であると考えられています。しかし、運動してもなかなか血圧が下がらない場合も多く、患者さんは「折角、運動したのに、血圧が落ちないのか」と思いがっかりされることも多いようです。治療として運動を捉えると、その効果の低さから…

自分にとっての「ちょうどよい」を見つけるために、たった2つのことを意識して下さい。

健康マネジメントでネックとなるのは、“習慣化”です。行動が変われば習慣が変わる。 習慣が変われば人格が変わる。 人格が変われば運命が変わる。 と言われていますが、習慣を変えることは並大抵のことではありません。「人間の脳は習慣を変えないように」設…

動機的面接法

生活習慣病の患者さんの多くは「わかっちゃいるけど止められない。」ということで習慣を変えようとはしません。患者さんに習慣を変えてもらうには医療者としてのスキルが必要です。これは子供の教育や職場での後輩への指導についても同じことが言えるかと思…

行動変容を促すキーワード

「人間と動物の違いは何か?」という命題について、様々な回答があるかと思いますが、最適解と考えられているのが、「人は選択する。」ということです。 それでは、どの様な基準で選択するかといえば、①善悪、②損得、③好きか嫌いかの3種類と言われています…

どのような老い方が良いかを考えてしまいます。

今週の日曜日に義母が転倒して右の大腿骨を骨折しました。義母は今年の5月12日に脳梗塞になりリハビリ病院を退院したばかりでした。月曜日に手術をしてもらい今は病状は安定していますが、家に帰りたいと24時間ひっきりなしに私の妻に電話をしてきます。脳梗…

新しい人間ドックの開発

医学が進歩して高齢化が急速に進んでいます。しかし、健康診断や人間ドックは大きく変わっていません。 人生100年時代なのにそれに適した人間ドックがないことに多くの人は気がついています。遺伝子検査、新規生活習慣病関連分子の測定、人工知能による解析…

言葉より姿勢

私は、医療コミュニケーションやWellbeingについての勉強会を1−2ヶ月に1度の割合で開催しています。 社会人と医学生が、持ち寄ったテーマについて意見を交わすリモート談話会です。 先日の会では、虐待やネグレクトを受けた子どもたちの相談を受けるボラン…

選択

人と動物の違いは「選択するかしないかということである」という定義があります。動物は殴られれば、逃げるに決まっていますが、人は殴られても逃げるか留まるかの選択をします。「私のために殴ってくれるのかも?」という意識がDVから逃れられない理由の1つ…

帰宅願望

今年の5月に妻の母が脳梗塞になりました。慈恵医大に入院し、リハビリ病院に移りましたが、自宅に帰りたい希望が強く夜間せん妄で1日に何十回も電話してきます。妻は、「可哀想で耐えきれない」と感じていました。昼は、比較的元に戻るので、義弟はリハビリ…

プレ老人ホーム

人生100年時代にどのように備えたら良いでしょうか?80歳でホテルのような高級老人ホームに入ることが、目標でしょうか? 何歳になっても新しい刺激を受けたいと思ってらっしゃる方が多いのではないでしょうか?それを実現する繋がりはどのようなものでしょ…

新しい産業

先日、YouTubeで堀江貴文さんが、「何故、戦後の高度成長期に日本が経済大国になったか?」ということに2つの理由を挙げていました。 1つ目の理由は「戦後は、それまでの指導者が一掃され新しい世代の新しい指導者が出現した」こととのことです。なるほど、…

ダイハード

12日金曜日に義母が脳梗塞で救急入院しました。 軽い麻痺ですが、入院中、認知も進み、また新たな介護が始まります。 退院後、市谷で少しの間、引き取ろうとも思い、自宅で介護を続けている実母に伝えたところ、 「私は良いけど、お母様が気を使うから、自分…

脳梗塞、心筋梗塞は地震と同じで、即座に対応することが勝負

私の義母が、5/12に脳梗塞で、慈恵医大に緊急入院した時のお話をします。 義母は義父と2人暮らしで、隣に義弟夫妻が、住んでいます。 5/12の午前中のゴミ出しは、普段通り、できたそうですが、昼前に体が左に傾くようになり、お嫁さんが心配して義弟に申し送…

0.5人分の医師の働き方

私が勤務している慈恵医大では、女性医師の割合が増加しています。 首都圏の私立の医学部は、小中高一貫の私立の女子校あるいは男子校の入学者が多くを締めます。 これらの学生が医師になると、自分が子供の頃に親にしてもらっていたことを踏襲したい気持ち…

開業医と在宅医

私は64歳大学病院で医師をしていますが、退職も近いので開業をすることも考えています。私が以前勤めていた虎の門病院の先輩の先生は69歳で開業し、現在79歳で、現役で働いていらっしゃいます。先日、私は、そのクリニックで開業に関する様々なことをお聞き…

桜を見せて見送りたい

私は大学病院で医師をしていますが、癌、循環器疾患、脳卒中や感染症の患者さんは、冬に具合の悪くなることが多く、私が研修医の頃から「〇〇さんには、最期に桜を見せてあげたい。」と思い治療にあたりました。それは40年近く前の話ですが、今でも「桜を見…