産業医の報酬

私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしている64歳の医師です。先日、ある会社から「産業医になってくれないか?」と依頼がありました。「産業医の報酬」とネットで検索すると会社の従業員の数で報酬額に差があるだけでなく、報酬に大きな幅があることを知りました。私の給与は大学としての役職や経験で定められてきました。

産業医の仕事は、法令遵守に寄与することと健康経営に社風を変えることに寄与することの2大別されます。殆どの産業医は前者しか行いませんし、多くの会社のニーズもそこにあります。

法令遵守は社員の健診の受診率の向上、ストレスチェック、残業の調整などがあります。私は行動変容外来を行なっているので健康経営にも興味があります。

しかし、産業医の報酬に大きな幅があることと人材派遣会社には仲介料に近い報酬が払われるでしょうから、直接会社から医師に依頼があった場合は報酬額の見当がつきません。私が「〇〇円にしてください」とお答えすると担当者の方が「それで本当に良いのですか?」と何度も念を押されます。

担当者の方に「大体、どの程度お支払いを予定していたのでしょう?」と聞いてみたいところですが、正直な回答を得られないかも知れませんし、無粋な感じもするので、報酬について聞いてみる勇気がないです。

仕事が多様化してくるとスポーツ選手だけでなく代理交渉人が欲しい人が増えてくる感じがします。

何だか、とても内輪な話で恐縮です。

2023年3月8日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。