ワクチン接種の効率を上げるために

新型コロナウィルスに対するワクチン接種が開始されています。

巷では、注射をする医療者不足のために、歯科医や薬剤師に特例的に注射をさせる準備をしていると言う報道があります。

このこと自体は、私も良いことだと思います。

しかし、本当に注射をする医療者が不足しているのでしょうか?

先日、私が属する中央区医師会でも高齢者のワクチン接種に対して医師の募集がなされました。通常の業務日でなく休日の当番の募集でした。私も手を挙げましたが、医師の希望者が殺到しているとのことでした。開業医の先生方のやる気に頭が下がります。

 

政府は民間の医師派遣会社に医師の供給を依頼していると聞いていますが、そのような手法が良いのでしょうか?

私は、大学病院や基幹病院に注射をする医療者を供給してもらうように依頼する方が、民間派遣会社に依頼するより、はるかに効率が良いと思います。

大学病院や基幹病院は現在コロナ感染者の対応でギリギリの診療をしています。しかし、それは大学病院や基幹病院全体ではありません。

I C Uや感染症科はもちろん大変です。しかし全ての科がコロナ感染者の対応に当たっているわけではありません。

内科や外科の一部、耳鼻科、眼科、皮膚科、精神科などの先生方の力を借りれば、通常診療を大きく変えなくても人的供給は可能でしょう。

大学病院や基幹病院が接種に協力することで、ワクチン接種の局面は大きく変わると思われます。

※2021年5月20日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。