高齢者への新型コロナウィルス感染症ワクチンの接種の案内が区役所から郵送されるようになってきました。
「新型コロナウィルス感染症ワクチンの接種の是非や保証は政府が持つ」と発表されていますが、みなさんに配布される用紙には「かかりつけ医にワクチンをうって良いかの判断を仰いでください。」と書かれています。
ワクチンの接種予定の方が、「私はうって良いのですか?」と聞かれた時に私たち医師はどのように答えたら良いのでしょう?
現在我が国のワクチン接種者は200万人を越え、ワクチン接種後の死亡者は10名程度と報告されていて、その死因とワクチン接種との因果関係は明らかになって言いません。
そうは言っても、重篤は副反応が出る方にしてみれば「先生は、大変になる確率は低いと言ったが、私はうたない方が良かった。」ということになるのです。
ワクチンのリスクより高い医療行為は沢山あり、例えば大腸カメラを受ける方がリスクが高いと言えるでしょう。大腸カメラは健康診断で便に血が混じると一様に進められます。
社会に定着したリスクは、説明する方も説明される方もストレスがありません。
自動車事故で怪我をした時に自動車運転のリスクを訴える人はいないと思います。
ワクチン後に発熱される方も半数以上いらっしゃいます。その方々が、クリニックに押し寄せるとコロナ疑いの発熱患者さんを診ることができなくなります。
私の勤務する慈恵医大晴海トリトンクリニックでは、摂取後の発熱に対するリモート診療の準備をしています。
現場への対応の国の想像力は残念な印象です。
※2021年4月29日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。