今年初めての慈恵医大晴海トリトンクリニックの出勤だったため、新型コロナウィルス感染症疑いの患者さんが押し寄せるかも知れないと思い、覚悟していましたが、お互い患者さんもいらっしゃらず、平穏な外来でした。しかし、慈恵医大病院の方は重症者も多く、感染経路不明の感染者がスタッフに出るとその周囲の医療者全員のPCR検査の実施が必須となり、ギリギリの状況です。医療崩壊とは病院の一部から始まり、そこでの感染が院内に広がり、ある一定の閾値を超えると取り返しのつかないことになるのでしょう。丁度河川の氾濫と同じように、大丈夫と思われているところでも一気に水が押し寄せてくるイメージです。閾値を超えるまでは、穏やかに見える風景も閾値を超えると一変します。
医療に携わっている私たちでさえ、充分、感じていないリスクを一般の方に説明することはとても難しいことなのでしょう。
本日、時間があったので「世界における新型コロナウイルスの感染状況・グラフ・地図」というサイトをみていました。世界における新型コロナウイルスの感染状況・グラフ・地図 (reuters.com)
その中で、
- 欧州で第3波は来たが、フランスなどは感染を抑えつつあるが、英国は変異株が主流となり、感染者数の著しい増加を認める。
- 英国の死亡率は変化していない。
- 南半球は温度が上がり、感染者数が低下傾向であるが、変異株が多く認められる南アフリカでは、現在が感染のピークになっている。
- 日本を始め先進国の死亡率は1%前後であるが、発展途上国でも1-5%程度で思ったより高くない。
- 米国や英国よりもワクチン接種率が高く、その割合が13%に及ぶイスラエルの感染さ数をみても、現時点ではワクチンの影響は顕著ではない。
ということが解りました。これは、
- 日本でも人流を抑制し、飲食店の営業を制限すれば感染者数は低下していくこと。
- 変異株は、死亡率には影響を与えないかもしれないが、感染者数には大きな影響を与えること。
- ワクチンの接種率が低いうちは、感染者数に影響を与えることは出来ない。従って、この冬が勝負で、入国制限によって変異株の我が国への流入を阻止しなければならないこと。
を感じました。日記のようなブログになってしまいました。
※2021年1月4日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。