3月の状況と異なることがやっと腑に落ちました。

私たちは、新型コロナ感染症ウィルスについて多くの情報がありますが、その解釈方法を探るのに疲れてしまっています。そんな時に別の視点からの1つの情報でホッと胸をなでおろすことがあります。

 

WHOが7月7日に新型コロナ感染症ウィルスは空気感染の可能性が否定できないと発表しました。私は、2月の屋形船や卓球場でのクラスター発生時にエアロゾル感染のことを確信しましたし、今の我が国の多くの研究者は、特殊な状況下(重症患者さんの吸痰など)ではエアロゾル感染があることを想定して働いています。何をいまさらという感じです。

新型コロナ感染症ウィルスは未知のウィルスなのでいつ感染するかは解りませんが、私は慈恵医大の感染制御部が「一般的な問診では、患者さんと医療者の両者がマスクをつけていれば飛沫感染は防げます。慈恵でもその条件下では1人も感染者が出ていない。」という言葉を信じています。この言葉を聞いて私たちは落ち着いて診療にあたれるようになりました。実際に、眼科、耳鼻科、歯科の先生が感染しないことを考えると症状がない患者さんであれば、患者さんと医療者の両者がマスクをつけていれば感染リスクは少ないと思われます。

 

東京では新規感染者数が連日100名前後です。夜の街関連と言っても40名程度は感染経路不明という言葉にも私は大きな不安を持っていました。

ところが、先程東京都のホームページで区別の新規感染者数をチェックしてみました。すると新宿区は1日で37名増えていますが、3月に1番感染者が多かった世田谷区は3名増、渋谷区は1名増です。これは東京都全体に感染が広がっていないことを意味すると思います。感染者の年代別よりも地域別の公表が都民を安心させるのではないでしょうか?

楽観はできませんが、3月の状況と異なることがやっと腑に落ちました。

 

※2020年7月8日時点の医師横山啓太郎個人の意見です