With Coronaと捉えた方が、気持ちが楽になると思います。

新型コロナウィルス感染症の情報は世の中に溢れ、その情報を追っている人は実は専門家よりも迅速に情報を得ている人もいるかと思います。
しかし、振り返ってみると如何にその時々の情報に振り回されていたかもわかります。

2月は水際対策が功を奏するかを注目し、その後ダイアモンドプリンセス号の実況中継のようなニュースやワイドショーを目にしていました。
最近は、感染拡大のピークは越えたものの「第2波、第3波は必ず来ること、それまでにPCR検査とアビガンの早期承認」をというのが大抵のコメンテーターの主張でした。
しかし、アビガンが有効でないかもしれないとの報告があり、この主張は見直さなければならなくなってきました。
ワクチンの開発も進んでいるといわれていますが、容易ではないという識者もいます。

そもそも、
1.新型コロナウィルス感染症に治療薬がないとすると感染した人の致死率は何が決めているのでしょうか?
2.死亡者数が少ないことは良いことですが、ワクチンが出来ないとすれば、我が国の集団免疫を得るには程遠い感染者数が少ないことは良いことなのでしょうか?

抗体検査の結果から、我が国の抗体保有率は0.6%で欧米は国ごとに異なるものの10~20%との報告です。
私は、医療の現場で新型コロナ感染症の捉え方が、人によって全く異なることを実感してきました。

最近、感じることは、Before Coronaに帰ろうとする人は、毎日の感染者数に敏感でストレスが多い印象を持ちます。

失われたものや終息の日程に敏感になってしまうからでしょう。

逆にWith Coronaとしてこの現象が長く続くことに腹をくくった人はこの変化に順応している印象を持ちます。
どう感じるかは其々の方の性分もあるかと思いますが、たまにはWith Coronaと捉えた方が、気持ちが楽になると思います。
 
※20205月21日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。