「区別毎の行政単位」で分けられる医療体制について

品川駅は港区高輪三丁目および港南二丁目、目黒駅は品川区上大崎、新宿高島屋は渋谷区千駄ヶ谷5丁目にあります。

私たちは自分が何処の区に住んでどこの区で働いているかを意識することは少なくなってきました。

 

しかし、行政は区の単位で構成されている組織も多く、保険所や医師会も「区別毎の行政単位」で構成されています。

 

新型コロナウィルス感染症の患者さんの振り分けは、各区の保険所や医師会が行います。

そして、受け皿はその区にある基幹病院になります。

 

私の慈恵医大晴海トリトンクリニックは中央区にあり、慈恵医大病院は港区にあります。

中央区の窓口は600床の病床数の聖路加国際病院の1か所だけです。

これに対して慈恵医大病院は1000床の病床数を持ち、徒歩圏内に虎の門病院済生会中央病院、国際医療福祉大学三田病院があります。

隣の区でありながら、中央区と港区では患者受け入れのCapacityは数倍違うことも予想されます。

 

どこの区民か、どこの区にかかりつけ医があるかによって、PCR検査やその後の入院が大きく異なっているのが現状です。

 

新型コロナウィルス感染症の拡大は急速ですので、区レベルの医療ネットワークでひずみが出ていることは早急に解決するべき問題です。

このシステムは緊急時の日本の弱点と捉えることが出来ます。

 

※2020年4月29日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。