新型コロナウィルス感染症がインフルエンザと致死率が同じではないという話

新型コロナウィルス感染症の致死率は、我が国で2~3%になっています。

しかし、潜在的な感染者数は、発表されている感染者数の10~100倍程度いるのではないかと予想する科学者もいます。

そうだとすれば、致死率は約3%の10分の1~100分の1で0.3%~0.03%となり、インフルエンザと同じ程度ではないかと主張する方もいます。

 

米国では今年2200万人インフルエンザに罹患して10000人以上の死亡者が出ていますので、0.045%となります。

そうなると「0.3%~0.03%の新型コロナウィルス感染症の致死率はインフルエンザと致死率が同じ」というのは正しいことになります。

しかし、我が国のインフルエンザの致死率は0.001%との報告もあるぐらいですので、その数値を前提にすると、新型コロナウィルス感染症の致死率はインフルエンザの40~50倍に当たるとも考えられます。

https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon162.pdf#search='インフルエンザ+日本致死率'

 

このように感染症においては、日本と海外のデータを単純に比べることは出来ません。

 

新型コロナウィルス感染症は重症者が10%という国や地域も多く存在し、治療期間もインフルエンザの5倍程度に及ぶと言われてます。

しかも、無症状でも14日以上自宅で待機という新型コロナウィルス感染症は、5日程度の自宅療養で復職できるインフルエンザと比べ、罹患時の仕事に与えるダメージも大きく違います。

 

このような災害時には様々な情報が錯綜することが常ですが、複数の情報ソースを持ち、正しい判断をする姿勢こそ危機管理にとって重要なことではないかと考えています。

 

※2020年4月27日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。