新型コロナウイルスに必要な準備は地震災害時と同様に

新型コロナウィルス感染症で解っていることは、
1.80%は軽症か無症状である。
2.致死率は2.4%
3.急速に症状が悪化することがある。
4.新型コロナウィルスに効くことが解っている薬はない。
5.重症化した時には人工呼吸器や人工心肺装置(ECMO)を装着し、自分の免疫でウィルスに打ち勝つのを待つ。
6.今後、軽症の人は自宅待機での隔離となる(これらの人が入院したら医療崩壊になる)。

 
このことを知って、医師である私も自分がコロナに罹ったら、どの様に対応したら良いか十分解りません。
風邪症状や感染初期の軽症で自宅に待機している時にどのような目安で「新型コロナ受診相談窓口」や「かかりつけ医」に連絡したら良いかが解らないからです。
 
新型コロナウィルスは肺炎球菌などの一般の細菌性感染と異なる病気の進み方をします。
肺は右肺が3つ、左肺が2つの部分に解れ、5つのパーツから出来ています。
其々が気管から枝分かれする気管支でつながっています。
気管支はさらに細く枝分かれして肺胞という酸素交換を行う小さな袋の様になっていきます。
丁度ブドウの房のような構造です。

一般的に細菌性感染はこの袋の中に細胞が入り込み、そこで細菌と白血球が戦い黄色や緑の痰を作り出します。
従って、一変に5つのパーツ全部が侵されることは珍しいです。
そして、新型コロナウィルスは肺胞の壁に沿って進展していくので区域性がなく5つのパーツ全てを同時に侵す危険性があります。
そのため痰は少なく急速に進行するリスクがあります。
ただ、そうは言っても肺全体に広がるまでにサインがあるはずです。
 
従って、軽症で自宅待機の時に、どの様な変化が起こったら病院に行くかということを国民には知らされる必要があります。
おそらく、専門者会議が、近々その目安を発表してくれると思っています。
日本の医療は世界有数の水準です。
情報を出すタイミングや解りやすさを求めたいところです。
 
一方、受診時は携帯電話で連絡すべきところに連絡できるように準備してください。
常備薬がある方はまとめておいて直ぐに持ち出せるようにして下さい。
入院したら家族の面会なども制限されます、病院だからと言って薬も直ぐ出てくるか解りません。
 
このように新型コロナウイルス感染症には地震災害時と同じような準備が肝要です。
 
※2020年4月4日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。