新型コロナウイルス感染症によってもたらされた初めての感覚

新型コロナウィルス感染症は今までに経験したことのない災害と言えます。
そしてこの災害が世界規模で起こっています。
世界規模で起きる故に、自国との比較や、この災いから逃れるヒントがないかという観点で、それぞれの国家の進んでいる方向が他国から評価されることになります。
世界の国々の情報への渇望は大きく、結果的に、その国の文化まで掘り下げられてくことになります。
 
感染者が多い国を考えても、イタリアは食事の時にフォカッチャをテーブルに直におく、フランスでは、誰しもフランスパンを手でちぎって食べること、アメリカではトイレの時に手を洗う人の割合が多いことなど、文化と新型コロナウィルス感染症の関係に「なるほど」と思うことが多いと感じています。

今まで海外では日本人がマスクを付けることを滑稽に捉えるケースも多くありましたが、今は違います。
この新型コロナウイルス感染という厄災に対し、諸外国はすぐに日本の文化とも言えるマスクを良いものとして受け入れたのです。 

この変化は私に初めての感覚をもたらしました。
おそらく、世界に今まで存在してなかった一つの価値転換が起きたのではないかと考えています。
日本人はどんな国民だろうか、日本に学ぶものはないかなど、世界の全ての人が自国と他国を真剣に考える機会になっています。
 
そして、上記と同じ価値転換が個人と他者に関しても芽生えているのではないでしょうか。
自分とはどのような人間で、他者はどのような人間なのだろうか。
自分が出来ることは何か、他者に学ぶべきことは何か。
テレワークで思いもよらず空いた時間に、自分と他者に向き合ってみたいと思います。

※2020年4月3日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。