新型コロナウィルス感染症との戦争に勝つという言葉について考える

新型コロナウィルス感染症との戦いを戦争に例える指導者がいます。
米国のトランプ大統領もフランスのマクロン大統領も国民にその様に訴えています。
「私たちの国民は新型コロナウィルス感染症との戦争に勝つ」と国民を鼓舞しています。

しかし、これは人とウィルスの戦いでしょうか?
感染症との戦いは人と人との戦いであると考えることもできます。

ウィルス自体は生物ではなく、ヒトに感染することで初めて行動範囲を広げることが出来るのです。
貴方にウィルスを感染させるのは、親しい人かもしれませんし、貴方自身がウィルスで自分の親でさえ攻撃することになります。

貴方は家にいればこの戦争の兵器になることはありません。
貴方が家にいれば友人から攻撃されることもありません。
貴方が多くの人の集まる場所に行くということは、多くの敵に囲まれるということです。

1人や2人であれば、敵を倒すことが出来ても多くの敵に囲まれてしまえば、勝つ見込みはありません。
貴方が多くの人の集まる場所に行くということは、多くの人を殺しに行く可能性があるということです。

感染症との戦争は必ず終わりが来ます。2つのシナリオが用意されています。
武器を持った兵士が全て戦死するシナリオと全ての兵士が武器を捨てるシナリオです。

この戦争を鎮めるには、敵に戦いを挑むのではなく、敵との距離をたもちことです。

貴方自身が武器にならないことです。

※2020年4月11日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。