新型コロナウィルス感染症の患者数が増えることに恐怖を感じた日

4月8日16時に私のクリニックに47歳男性で1週間続く38℃の発熱と倦怠感の患者さんが受診しました。

その患者さんには味覚異常があり、呼吸器症状はありませんでしたが、胸部レントゲンで、典型的な新型コロナウィルス感染症を疑う像で、血液中の酸素飽和濃度は87%と低下していました。

 

その後、基幹病院は何処も取ってくれず、保健所と私たちで、多摩地区も含めて二十数件電話をかけましたが、全て断られました。

5時間を有し、21時を過ぎても紹介病院は見つからず、酸素ボンベの酸素の残量もなくなりました。

 

宛名のない紹介状を書いて、知り合いに安否確認を頼み、「悪化時には救急車を呼ぶように」お願いして、帰宅させるしかありませんでしたが、ようやく、22時前に紹介病院が見つかりました。

本朝、紹介先の病院と連絡を取りましたが、CT上感染が疑われるものの、入院ベッドがなく、酸素飽和濃度が94%になったので、自宅待機としたそうです。

その後、当方から中央区保健所に連絡し、帰宅後の患者観察を依頼しました。

 

自宅待機と言われた患者の多くが長期間自宅待機をしてくれることを望みますが、全員が外出を一切しない状態を保つことは難しいのではないかと考えます。

今回の事態を経験し、都が確保している入院ベッド以上に患者数が増えると、一挙にoverflowして、溢れた感染者が市中感染症を起こし、世の中に患者が一気に増加する恐怖を感じました。

 

新型コロナウィルス感染症患者の軽症者が自宅に移り、入院する患者のcapacityが増えることを望みます。

 

※2020年4月9日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。