新型コロナウィルス感染症疑いでもPCR検査の結果が出るまでに時間がかかっている現状についてお話します。
7月25日の朝、私のクリニックに40代の糖尿病患者さんから電話がありました。7月17日に一緒に昼食を食べた友人のPCRが陽性で、ご自分は7月20日から咳が出て、7月25日から39度の発熱があるということです。「濃厚接触者であると保健所に電話したが、先ずクリニックへ電話するように」と指示を受けたとのことです。その方は、某大学病院から当クリニックに来て2回の受診歴しかなく、その時対応した医師も不在でした。濃厚接触者の場合は保健所が対応することになっていますし、私がかかりつけ医とは言えないと思いますが、PCRセンターに連絡して13時過ぎにPCR検査を行うことになりました。
その後は保健所にお任せするのかと思っていましたが、PCRセンターから夜間休日でも私の所に電話が来てPCRの結果が伝えられ、陽性であったら私が保健所にFAXしたり、患者さんに連絡を取ったりするということでした。結果は7月26日の夜か7月27日に連絡が行くであろうとのことでした。
私はこの患者さんと会ったことがないので、PCR検査後結果が出るまでの1-2日間、家にいてくれるかが解りません。また、病状も解らないので急変するリスクも把握できません。病院の携帯を枕元においてPCR陽性であった場合はスムーズに連絡がつき患者さんの様態が安定していることを願っています。
大阪では自宅待機中の男性が亡くなったという報道がありました。また、PCRの感度が70%で30%の方が新型コロナウィルス感染症に罹っていても陰性になることを考えると陰性であった場合、この患者さんが重症化してしまうこと、この患者さんが感染源になることを切実に想像してしまいます。
※2020年7月26日時点の医師横山啓太郎個人の意見です