医学における真実の見出し方

現代医学の常識は、臨床研究において統計によって解析され、その結果が論文化され、治療ガイドラインに反映されます。

大型の臨床研究は莫大な費用がかかるため製薬会社によって行われます。薬Aを使用した10000人と薬Bを使用した10000人を比べ合併症の頻度や死亡率を比較しています。統計により僅かな差でも有意な差と評価されれば、それがガイドラインに反映され、殆どの医師がガイドラインに沿った治療を行います。

しかし、それが僅かな差であれば、次の研究で逆の結果が出ることがあります。この事実は新型コロナウィルス感染症によって明白になりました。当初、マスクは無効である。アビガンは魔法の薬である。ということが言われていましたが、今はそのことを信じる人はいなくなりました。

コロナの感染者数を予想する数理モデル人工知能の解析も的確な予想ができていないようです。

今、生体データを数多く集め、新しい解析方法で物事を明らかにする試みがなされています。iPhoneのヘルスケアは無料のアプリですが、ユーザーがヘルスケアを使用することでAppleには莫大なデータが蓄積されています。しかし、株式が予想できないように個々の健康データに莫大な生体データを落とし込むことは極めて困難でしょう。

データで健康を予想するより、時事刻々適切な行動を選択するような作業が有用と思われます。

2022年10月30日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。