数年後の新型コロナウィルス感染症に対する選択

明けましておめでとうございます。

新型コロナウィルス感染症の新規感染者数が増加に転じています。第6波が近々来ることは避けられない状態です。

変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、感染力が4倍程度増加したと報道されています。

「数年から10年程度で新型コロナウィルスはいつか従来の風邪ウィルスレベルの重症化しかもたらさないウィルスに変化していくこと」は、従来から言われていました。一般的にウィルスは、ウィルス自体が繁殖していくために、感染力は増す一方重症化しないように変異していくことが予想されています。もし、強毒性になれば、ウィルスに感染した人は他人にうつす前に死んでしまいます。そうするとウィルスの伝搬性は減少するのです。

 

オミクロン株が弱毒化したことは朗報ですが、不顕性感染が増加すれば、無症状の患者さんが、世の中にウィルスを撒き散らすことになります。多くの無症状の患者さんを見つけ出すことは事実上できないので、弱毒化と感染者数の増加は表裏一体の現象です。そうであれば、感染者の隔離などのハードルを下げなくては社会システムが回らなくなります。ロンドン在住の後輩の先生から聞きましたが、ロンドンではミクロン株に置き換わり、重症者数は増えないものの、感染者が多いと鉄道や医療の就労者の確保ができなくなってきているとのことです。入院患者数の増加ではなく感染による医療就労者数の減少が医療崩壊を起こします。

 

そもそも従来の風邪ウィルスの感染力はどの程度のものなのでしょうか?私は従来予想されているより遥かに高い感染力があると考えています。風邪はウィルスが原因ですが、新規に感染してから発症するためには少なくとも数時間はかかるはずです。しかし、湯冷めで風邪をひく、コタツで風邪をひくなどは1時間以内に症状が出ることも稀ではありません。私の仮説では多くの方が既に風邪ウィルスに不顕性感染をしていて、「湯冷め」に対しての免疫力の低下が起こると直ちに症状が出るのではないかと考えています。冬には多くの方が不顕性感染になっていると考えています。

 

「数年から10年程度で新型コロナウィルスはいつか従来の風邪ウィルスレベルの重症化しかもたらさないウィルスに変化していく」とすれば、どこかのポイントで隔離基準の大幅な見直しが必要となります。これには正解がなく、国際基準などに大きく影響を受けると思われます。死者や重症者を出さず、社会システムを維持する選択は政府にとって最も大きな課題になるでしょう。

 

1月2日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。