人の悩みの相談を正面からでなく斜めから受け止めた方が良い時があるということ。

私は、長年医師をやっていて患者さんの悩みをうかがうことがあります。「この病気とどう付き合って言ったら良いか解らない。」「仕事が出来なくなってしまう。」「結婚が出来なくなる。」など様々です。

その時に勿論相談を正面から受け止めてお話します。しかし、多くの場合、患者さんはその問題を長い間悩んできたことなので、私のアドバイス通りやって上手く行かないことも十分考え抜いています。相談を正面から引き受けても上手く行かないこともあるように思います。

 

患者さんは、「ただ話を聞いてもらいたい。」こともありますが、「聞いてもらうだけでは満足できない。」こともあります。

 

この状況で、私は患者さんに元気になってもらいたいということが1番大事に思っていることならば、「良く、そこまで話してくれて嬉しいですよ。」とか「ここまで深く考える人は、返って上手く行くことが多いですよ。」とか「もともと深く考える方ですか?」とか悩みの問題とは少し、焦点をずらした解答が患者さんの求めていることも少なくありません。

人の悩みの相談を正面からでなく斜めから受け止めた方が良い時がある気がします。

 

※2021年2月21日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。