ポビドンヨードでうがいが、口腔内のウィルス量を減らすとしても感染防御や重症化に影響を与えるかは不明

吉村大阪府知事が8月4日にポビドンヨードが含まれたうがい薬を使うことで、コロナの重症化などを防げると発言し、その妥当性について様々な議論が起こりました。

 

そもそも、ポビドンヨード自体はウィルスを不活化するので、口の中にポビドンヨードを入れれば、唾液からのPCR検査ではその検出率が低下することはあるかもしれません。しかし、口腔内に存在するウィルス量が感染と関連するか?若しくは口腔内に存在するウィルス量が少くなることで重症化を防ぐか?に関しては全く解りません。

 

若年者は口腔内のウィルス量が多いという報告があります。5歳未満の幼児の上気道には、5歳以上の子どもや大人の10~100倍の量の新型コロナウィルスの遺伝物質があるとする研究結果が7月30日、米国医師会(AMA)発行の医学誌「JAMA小児科学(JAMA Pediatrics)」に発表されました。https://www.afpbb.com/articles/-/3296698

 

大阪府知事が口腔内のウィルス量を重視するならば、幼児にマスク服用の義務化をするのでしょうか?

 

 最近発表された韓国の研究では、10~19歳の子どもが家庭内で新型ウィルスを家族にうつす確率は大人と同程度でしたが、10歳未満の子どもがうつす確率はこれより低かったという結果が出ているとのことです。小児科学会はコロナ禍でも夏のマスクは熱中症リスクが高いと警鐘を鳴らしています。

 

子どもたちが密集してうがいをすることで、唾液が飛んで感染は広がらないのでしょうか?

新型コロナウィルスに関する情報は多く発信されていますが、それらを組み合わせて反芻しないと間違った結論を導きます。

※2020年8月6日時点の医師横山啓太郎個人の意見です