ストレスのコントロールとしての運動

血圧の管理で運動は重要であると考えられています。しかし、運動してもなかなか血圧が下がらない場合も多く、患者さんは「折角、運動したのに、血圧が落ちないのか」と思いがっかりされることも多いようです。治療として運動を捉えると、その効果の低さから長続きしないような気がします。

皆さんは、ストレスのコントロールとして運動をとらえたことがありますか?

運動をすることでコルチゾールやアドレナリンが低下し、青斑核に影響を与えることによって、ストレスに対する感情がコントロールされます。心の緊張状態を和らげてくれるのです。加えて、セロトニン(幸福感を司る化学物質)やドーパミンなど、脳内の「心地良さ」に関わる神経伝達物質量を増加させます。

私は、辛ことがあった時には、しっかり運動し、体に負荷を与えます。体の回復に伴って、知らないうちに心が回復していくことを経験します。

運動には学習と記憶を司る脳の海馬を増大させる作用があることも明らかになっており、認知症の進行に対して有効です。

 

2023年10月11日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。