開業医と在宅医

私は64歳大学病院で医師をしていますが、退職も近いので開業をすることも考えています。私が以前勤めていた虎の門病院の先輩の先生は69歳で開業し、現在79歳で、現役で働いていらっしゃいます。先日、私は、そのクリニックで開業に関する様々なことをお聞きしました。

その中で、気になった一言がありました。「在宅医とケアマネジャーには注意をした方が良い。」ということでした。長い間、開業医が一生懸命見ていた患者さんが、高齢で通院が難しくなると、一人での通院が難しくなり、通院につきそうご家族の負担になります。そうすると区の高齢者相談センターからケアマネジャーが紹介されます。そして長年通ったクリニックではなく、ケアマネジャーと関わりが深い在宅医が紹介されることになります。その先生は「患者さん自身が元々のクリニックに通いたくても。ケアマネジャーから家族が転院を促されてしまうと、開業医が愛情を持って拝見していた患者さんも知らないうちに来なくなってしまう。」とボヤいていらっしゃいました。

「在宅医の医療の良し悪しではなく、ケアマネジャーの斡旋であり、最後は自宅にとか寄り添うという言葉巧みに入り込んでくることがある。」ともおっしゃいました。

私は、父を自宅で看取り、在宅医療の暗の部分を知りませんでした。もちろん、良いケアマネジャーや在宅医の先生もたくさんいらっしゃると思いますが、今回伺ったことは驚きでした。

 

2023年4月18日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。