社会の進むスピードと人間関係

私は63歳の医師です。腎臓・高血圧内科に所属し、長年大学で医学教育に携わってきました。腎臓・高血圧内科に入局する若い医師に、何故「腎臓・高血圧内科を選んだのか?」と聞くと昔は、「学問として腎臓が面白いから」、「腎不全の患者さんの救命はやりがいがあるから」と答える医師が多かったと思います。

ところが20年ぐらい前から「腎臓・高血圧内科は雰囲気が良いから、同級生で仲の良い友達が入ったから」などの回答がポツポツで始めました。私は、先輩も同僚も数年でメンバーが変わってしまうことから「一緒に働く人との相性で自分の進む道を決めるやり方」に疑問を持っていました。

しかし、定年間近になり、次の職場を選ぶ際に最も重視しているポイントは「一緒に働く人との相性」です。

仕事内容でさえ、刻々と変わる現代社会では、仕事の内容で進む道を選んでも立ち行かなくなると思います。同じ感性のもと仕事を進めていく同僚が貴重に思えます。

社会の進むスピードが速くなると人間関係の大切さが増すと思います。

 

2022年10月15日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。