新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬

新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬が承認され、今年中にクリニックでも処方可能になるというニュースがあります。私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックでも新型コロナウィルス感染症患者さんを拝見しているので、このニュースは朗報であり、クリニックとしても適切な対処が必要と考えています。

 

しかし、薬剤が承認されても大きなハードルがあります。

患者さんが陽性と診断された後にどのように治療薬を取りに行くかということが、見えてきません。

 

当院では新型コロナウィルス感染症の疑い患者さんは、発熱外来で唾液PCRをやって頂き、帰宅後にPCRの結果をお伝えしています。経口治療薬は発症早期に使用することで有効性が高いので、陽性と判明した患者さんには直ぐにでも経口治療薬を飲んでいただきたいと思っています。

しかし、経口治療薬はどの薬局に行けば手に入るのでしょうか?殆どの薬局では経口治療薬が置いていないことが想定されます。また誰が、薬局に薬を取りに行くのでしょうか?PCR陽性の患者さんは薬を取りにいけませんし、ご家族の方も濃厚接触者に指定され、外出は制限されるはずです。

 

本日、保健所に問い合わせましたが、具体的な段取りは決まっていないとのことです。ワクチンの時は、開始は遅れたもののその後はハイスピードで摂取されていきましたが、経口治療薬の道筋は未だ見えません。

 

12月20日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。