人間ドック受診前の発熱について

私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックは人間ドックや健康診断を行っています。コロナ禍では、人間ドック受診前14日間平熱であることが受診の条件としています。前もって受診する方には案内でその旨を伝えているのですが、数日前発熱していても来院してしまう方がいらっしゃいます。

そのうち殆どの方は、事務の説明のもと帰宅いただけるのですが、中には「自分は絶対コロナではないので受診したい。」と言って帰宅のお願いを聞いてくださらない方がいらっしゃいます。

そうすると所長の私がご説明とお願いをすることになります。先週も2名の方が、どうしても人間ドックを受けたいと希望されました。

新型コロナウィルスは様々な症状を取り、中には不顕性感染の方もいらっしゃるので疑わしきは帰っていただかないと他の受診者の方に感染のリスクを背負わせることになってしまいます。私がそのような説明をすると、その方は「自分は間違って発熱していると書いたので訂正します。」とおっしゃられました。

私自身もコロナの可能性は低く、そのような発言をされる気持ちは判るのですが、30分間ただその方のお話を聞き「その理由で、私が判りました受診していただきますとお返事すると思われますか?」とお聞きしました。すると我に帰ったような表情になり、「わかりました。」とおっしゃって帰っていかれました。

主張の合理性でなくその手法に目を移すことが、対立を避けることになることもあるようです。

 

10月11日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。