新型コロナウィルスのワクチンがダブついている?

昨日、新型コロナウィルスワクチンが足りなくて、クリニックの個別接種は中央区在住の方しか撃つことができないというブログを書きました。「中央区は夜間人口に比べ日中の人口が大幅に多いことから、中央区で働いていて中央区在住でない方にワクチンを打つと中央区在住の方のワクチンが不足する」という説明を行政から受けました。

しかし、本日、2つの会社のワクチン担当者から相談がありました。政府から十分なワクチン量が6/21には配布されることになったけれど、医療者が不足している。政府の急な決定だったため医療者が集まらない。医療者を派遣する会社のCapacityを超えていて医療者の取り合いになっている。モデルナワクチンが十分量あるところに定期的にファイザーのワクチンが供給されている。ワクチンには期限があるので、ワクチンがダブついてしまう。そのため政府は兎に角、会社での接種を進めている。というものでした。

会社の執行部は、政府のプレッシャーもあり、ワクチン接種を急いで欲しいと担当部署に指示したそうです。

その話を聞くと、ワクチンの副反応で生じるアナフィラキシーの対応を考えている人が誰もいないのではないかと感じます。

エピネフリンに注射は?点滴は?酸素は?

確率は低いものの必ず重篤な副反応の方への医療的な対応が遅れます。

 

会社ではワクチンがダブつき、クリニックではワクチンが不足しています。

国民にオリンピック開催を納得させるためワクチン接種を推し進めるというベクトルも働き、ワクチン狂想曲の様相です。

 

※2021年6月3日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。