老化についての考え方

私は、35年以上生活習慣病の患者さんを拝見しています。

その中で

  • 老化とは恒常性維持する機能が落ちること。

あるいは

  • 老化とは外界からの負荷に対して、体の内部機能が変化してしまうこと。

と定義する等になりました。

例えば、アルコールに弱くなることは、アルコールの処理能が低下することですし、糖の処理能が低下すれば血糖が上昇します。

老化は、生活習慣病の高血圧、糖尿病、脂質代謝異常など様々な疾患と深いかかわりを持つ万人に避けられない変化であると考えています。

従って、薬で血糖値を正常化させるだけでは十分でなく、運動や栄養に介入し、老化を遅らせることが重要であると主張しています。

最近、「Life Span」というハ―バード大学のシングレア教授の著書を読みました。

彼の主張は

  • 老化とは情報伝達システムの傷害であり、治療すべき病気である。

ということです。

この考え方は、私の考え方と非常に似ています。

「情報伝達システムの傷害」により、「恒常性維持する機能が落ちること」になるとかんがえられます。さらに、この変化が、生活習慣病の高血圧、糖尿病、脂質代謝異常など様々な疾患と深いかかわりを持つという考え方も共通です。

 

私は、老化を食い止めるのは運動・栄養・睡眠・マインドを4つの軸としていますが、シングレア教授は運動・栄養が情報伝達システムの改善に結びつくと主張しています。

 

特に運動・栄養がNAD(ニコチン・アデニン・ディヌクレオチド)を上昇させ、老化を食い止めると説明しています。

 

面白い本なので、読まれることを推薦しますが、YouTubeで数多く解説されているので、其方を視聴されるのも良いと思います。

 

※2020年11月25日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。