昨日、義父が脳梗塞で慈恵医大附属病院に入院しました。10月12日の夕方から、左手に力が入りにくく、喋り辛い感覚を持ったそうです。
10月13日の朝の6時に、私の所に電話があり、慈恵医大附属病院の救急外来を受診することになりました。
症状を聞いて救急車で慈恵医大附属病院の救急外来を受診するように薦めましたが、「救急車だけは絶対に嫌だ。」と固辞しました。長男の嫁の運転で、救急外来を受診しましたが、もし、受診が遅れたら症状は増悪していたことが予想されます。
皆さんも、何か体調がおかしい時に、救急車で病院を受診することに大きなハードルがあるのではないでしょうか?
義父は82歳の現役の眼科医です。
1.「左手に力が入りにくく、喋り辛い感覚」はあったものの、前日にインフルエンザの予防接種を受けていて、そのせいだと思った。
2.近くの開業医に行こうと思った。
3.朝5時に起きた時も症状あったが、私に電話するのは早すぎるので6時まで待った。
4.もし、脳梗塞でなかったら恥ずかしいと思った。
5.今はコロナだし、病院に行く敷居が高かった。
などが、救急車を呼ばず、前日から様子を見ていた理由だそうです。
私も、脳梗塞や心筋梗塞で救急受診が遅れた患者さんの理由として、同じようなコメントを聞くことが良くあります。
- ひょっとして大した病気じゃないかも?
- 家族に迷惑かけるのが嫌だ。
- 大げさに騒ぐと恥ずかしい。
などは、多くの方からお話を伺います。
私は、そのすべての理由は正論だと思います。加えて、これらの理由は様々なようにみえますが、共通した思考パターンが隠れていると思っています。
それは、
病院嫌い⇒今の生活が大きく変わってしまうことに対する回避です。
これらの理由に、1つの対応策はありません。
「家族に迷惑をかけること」が、救急車を呼ばない理由に挙げる人に対して、「家族でサポートする体制」を作ったとしても、他の「今の生活が大きく変わってしまうことに対することを回避する理由」を見つけ出します。
このような考え方は、個人の特性です。逆に救急車を呼ぶことに躊躇がない人の中には、救急車をタクシー代わりに使う方もいます。
「今の生活が大きく変わってしまうことに対する回避することに対する個々のスタンス」について知っておくことは、リスク対応では重要と考えます。
皆さんの「今の生活が大きく変わってしまうことに対する回避することに対する個々のスタンス」はどうでしょうか?
※2020年10月14日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。