外来受診はどうして控えてしまうのでしょうか?

私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックは健診・人間ドックと一般診療を行っています。一般診療は、行動変容、腎臓・高血圧内科、糖尿病内分泌内科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科などの内科以外に産婦人科、整形外科、耳鼻科、眼科、皮膚科、精神科の診療科が担当しています。

 

新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、健診・人間ドック部門は4月、5月に閉鎖し、6月から再開しました。

開始時間を早くして、職員の昼休みをシフトすることで3密を避けて運用しています。健診の内科診察時にコロナ感染症の相談を受けたり、酸素飽和度を測定することで好評を得ています。

 

当初、コロナ禍では、健診や人間ドックの収益が落ち、外来部門の収益は比較的維持されると予想していました。しかしながら実際は全く逆でした。

外来受診は、コロナの感染を避けるために受診行動を控える患者さんが多くみられました。そのため外来収入は大幅に減少しました。一方、健診や人間ドックは、粗例年レベルの収益を得ることが出来そうです。

 

健診や人間ドックでクリニックにいらっしゃることは抵抗ないのに、外来受診はどうして控えてしまうのでしょうか?

 

健診や人間ドックを受けている方と一般診療の患者さんの年齢にもよるのかもしれません。

健診や人間ドックを受けている方は一般診療の患者さんに比べ、若いので重症化のリスクが少ない傾向があります。

 

私は、リスクを個人で判断すると慎重になる傾向があると思います。会社や社会で他の人もやっている事柄は、何となく安心する傾向がありますが、個人に責任が求められると慎重になります。

 

健診や人間ドックは会社の規定に沿っているので、個人の判断が入る余地が少ないですが、一般診療の患者さんは受診するかを個人の判断で決めてらっしゃいます。

 

判断することは、その事柄を自分事として考えることになるからです。

 

※2020年9月14日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。