日本人の当事者になりたくないという意識

日本人は若い人も含めてマスク・エチケットを重んじます。この行為は「感染が広がった場合の当事者になりたくない意識」が関係しています。先日の広島原爆慰霊式典では海外の招待者でマスクをしていない方が見受けられました。日本人のマスク着用は新型コロナウィルス感染症の感染拡大を抑制していると思われます。

 

一方、コロナ感染者追跡アプリをスマホにダウンロードする人の割合は極めて少ないと言われています。IoTで感染状況を把握するというプランは上手く行っていません。しかし、これも日本人の「感染が広がった場合、濃厚接触者として当事者になりたくないという意識」と関連しているような気もします。

このアプリのダウンロード数を上げるためには当事者になっても世間から批判されないラインを作る必要があります。

 

「日本人の当事者になりたくないという意識」は世間に重たい雰囲気を浸透させます。

 

私のクリニックでスタッフが最も安心したのは、慈恵の感染制御部の先生が「自分と患者さん双方がサージカルマスクをしていていれば、痰などを吸引する場合を除いてうつっていません。」と説明してくれた時です。

マスクの粒子サイズはウィルスよりも大きく、一定のウィルスはどうしても空中に漏れていると思いますが、スーパーコンピューターの解析により、マスクのリスク軽減のレベルが解ってきました。

 

経験の蓄積によって「ここまでやれば殆ど感染しない。⇒ここまでやれば感染させても批判されない。」という常識的なラインを作ることが出来るようになると思います。

 

※2020年9月1日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。