コロナ禍で医療者の抱えるストレス(愚痴に聞こえるかも知れませんが)

新型コロナウィルス感染症の拡大で重症の患者さんの治療に当たる医療者たちの姿が報道されています。私のクリニックでは重症患者さんがいらっしゃることは殆どありませんが、それでも発熱の患者さんを診るだけでスタッフは今までにない緊張感を味わいます。

いつまで続くか解らない中でスタッフに精神的負担をかけることに心が痛みます。

 

プロは自分の職業について愚痴を言わないものと思います。消防士の方も火は恐いでしょうが、そのことを、他の職業の人にボヤいたりしません。そのことが他の職業の人には理解されないことが多いでしょうし、聞いている方も快くない感じを持つことが多いようです。

 

しかし、私がつい愚痴を言ってしまうのは、現状が全く想定外だからです。2月に中国語を話すお見舞いの方が病棟にみえただけで、入院患者さんで看護師にクレームを付ける方がいらっしゃいました。3月にスーツケースに入院中の洋服などを入れて入院された方は、外国からの帰国者ではないかという疑念を持たれました。このような場合のクレームも看護師に向けられました。入院中の患者さんはストレスを抱えてらっしゃるので、敏感になるのも無理はないことと思いますが、彼女たちのことが心配です。

 

そして、今、看護師は里帰りや家族での会食も制限されています。

 

タレント皆さんが被災地を回ったように、誰かが彼女たちの話し相手になって欲しいと思っています。

 

※2020年8月28日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。