4月の感染拡大と今回の感染拡大は様式が異なってしまいました。

新型コロナウィルス感染症は様々な様式で感染拡大を起します。

 

私は、7月8日に新宿区には感染者が多いけれど渋谷区・世田谷区には少ない事から、4月の感染拡大とは感染症式が異なることで安心していました。しかし、7月9日埼玉や神奈川だけでなく大阪でも多数の新規感染者を出しました。これは何を意味しているのでしょうか?

 

私は、新型コロナウィルス感染症の感染の広がりを癌細胞が全身に広がることと似ていると考えています。

例えば大腸癌はサイスが大きくなって、近隣のリンパ節に転移し、その後肝臓などに遠隔転移します。大腸癌の初発部位を東京都すると首都圏に広がり、遠隔の大阪や北海道に広がっていくイメージです。4月の感染拡大の時は欧州からの帰国者は東京の広い範囲に分布し、その後遠隔地に拡大しました。まさに癌の全身への転移と類似しています。

その経験を基に私は、「新宿区には感染者が多いけれど渋谷区には少ないならば、感染拡大はコントロールできるかもしれない。」と考えたのです。

 

しかし、今回の感染は新宿地区に大量の新規感染者が出ました。政府は地域が限定していたので感染がコントロールできると考えたのですが、実際には感染拡大は新宿地区と狭い範囲でも、新宿の処理能力を越えてしまったので、一挙に大阪などへの遠隔転移を起したのです。感染する職種によっては、渋谷区・世田谷区よりも大阪や福岡の方が時間的には新宿から近い場所と考えることが出来るのです。

大腸癌の種類によっては、サイズは局所ではそれ程大きくならず、肝臓や肺に点資するタイプもあるのと同じです。

これ程、短い期間で同じ国で起きたことでも感染様式が異なります。未知のウィルス感染症の感染様式は海外の状況も必ずしも参考になりません。

 

日本は海外よりはマシという考えの元に経済を回すという大義の基に感染に対してルーズになることはとても危険です。

 

※2020年7月9日時点の医師横山啓太郎個人の意見です