欧米スタイルを真似るのはタイミングが早すぎます。

変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、新型コロナ感染症の爆発的な感染拡大が起こっています。

私のクリニックでもワクチンを2回接種して、リモートワークの方でもPCR検査で陽性になってしまう患者さんがおられます。オミクロン株の感染力は強く、今までとは全く異なり、身近まで感染の脅威がきていることが認識できます。

オミクロン株が弱毒化したことが、感染者数を上昇させていると思われます。軽症の感染者たちが社会活動性も高いので、感染爆発に寄与しています。

欧州では、感染者数を抑えるよりは集団免疫を得ることに舵をとった印象を受ける国にもあります。

しかし、英国と日本の感染状況は全く異なります。

日本の新型コロナ感染症数は累計200万人で全人口の1.5%です。英国では23%の国民が新型コロナ感染症にかかっています。

不顕性感染患者数が多ければ、その数倍の感染者がいると思われますが、実際はそうではなさそうです。慈恵医大病院では入院患者さん全員に入院時にPCR検査を行なっていますが、その時にPCR陽性となる不顕性感染患者さんはほとんどいないからです。

日本がここから集団免疫を得ていくという方策は、とても乱暴です。英国の1日の新規感染者数は約10万人で死亡者は200人程度です。我が国は1日の新規感染者数は約4万人で死亡者は20人程度で、致死率も低く抑えられています。うまくいっているのです。

欧米スタイルを真似るのはタイミングが早すぎます。

私は2月になってファイザーからの経口薬が出れば、20万人程度になっても死亡数をある程度抑えられると考えています。

ですから、後1ヶ月が正念場です。

そして6波を乗り切れれば、次に感染が拡大する変異株はさらに弱毒化して感染症の分類を2類から5類に引き下げることができるでしょう。

6波でみなさんに起こることは、感染や濃厚接触者になり、通常の仕事が経ちいかなくなることでしょう。そういう意味では3ヶ月以内に光が見えてくるのではないでしょうか?

1月19日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。

日本で新型コロナ感染症の新規感染者数が1日20万人に及ぶのでしょうか?

変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、新型コロナ感染症の爆発的な感染

拡大が起こっています。

英国やフランスでは新規感染者数が20万人に及んでいます。人口比で考えると日本では1日30万人になっても不思議はありません。

我が国の1月4日の新規感染者数が1151名であったのに1月14日には18864人と10日間で10倍に増えてしましました。このペースで上昇すれば、2月には1日30万人になっても不思議はありません。

しかし、私はそのようなことが確認できないと考えています。

 

現在の我が国の1日平均のPCR検査数が10万だからです。2週間程度でこの検査数を2倍にしても感染者の増加に追いつきません。

そうなると濃厚接触者のPCR検査や隔離期間を決定するPCR検査が十分できなくなります。

今、議論されている濃厚接触者の隔離期間の議論も根底から崩れるのかもしれません。未知の段階に足を踏み入れつつあります。

 

1月15日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。

 

中国やサウジアラビアの選手は今どこにいるのでしょうか?

変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、爆発的な感染拡大が起こっています。

しかし、「オミクロン株は弱毒化している。」「既に第5波を経験して慣れている。」ということで、今までとは随分風向きが違います。マスコミも危機感を煽りすぎという批判もあり、論調が変わってきました。なんとなくぼんやりした感じです。

おそらく第6波は今までと全く異なる状況になるかとは思いますが、顛末を予想できる人はいないと思います。

情報が溢れているようで、欲しい情報がありません。ワクチンの2回目あるいは3回目接種のブレークスルー感染の頻度が分かりません。オミクロン株の感染力が強いのは飛沫感染接触感染か空気感染かも不明です。オミクロン株による感染が起こっているのに韓国の感染者数が低下している理由も分かりません。

そういえば、1月27日と2月1日に予定されているサッカーワールドカップ最終予選は開催されるのでしょうか?

実は、2月1日にサッカーワールドカップ最終予選サウジアワビア戦の時刻に、「林修の今でしょ講座」の出演を依頼されました。高血圧がテーマで視聴者に刺すコメントを求められました。

実は、2月1日のサウジアラビア戦はテレビ朝日での放映予定ですが、新型コロナウィルス感染症で、中止になった時に急遽「林修の今でしょ講座」を放映するために準備された企画のようです。

驚いて「血圧と年齢について」調べていると制作会社から、「林修の今でしょ講座」の企画は没になったと連絡がありました。

中国やサウジアラビアの選手は今どこにいるのでしょうか?

1月13日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。

新型コロナウィルス感染症の濃厚接触者の扱いについて。

変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、爆発的な感染拡大が起こっています。

オミクロン株の感染拡大の大きさは予想がつきませんが、もはや3回目のワクチン接種を進めてもその拡大を抑えられないことは、欧米のデータから予想されます。

もし、オミクロン株に感染の主流が置き換わり、弱毒化しているという予想が成り立つのであれば、まず起こるのは重症者の増加による医療崩壊ではなく、感染者及び濃厚接触者の隔離によるインフラの崩壊です。

今後日本でも数万人以上の感染者が出た場合に、一体濃厚接触者はどのくらい出るのでしょうか?

私は、他国と同じようにワクチンを2回接種している濃厚接触者の隔離期間を短くすることが現時点のポイントと考えています。もちろんPCRや抗原検査で他人にうつすリスクを確認することも必要でしょう。

昨年の11月に「飲食や人の移動も感染者を増やさないのではないか」というコメントもありましたが、年末から正月に感染者が増えたことを考えるとやはり、「飲食や人の移動も感染者を増やす。」と考えた方がよさそうです。何より、今は感染者が増えているので「飲食や人の移動も感染者を増やす。」リスクが11月とは全く異なります。

しっかりした検査体制のもと、濃厚接触者の行動制限を緩和して、非感染者の制限を加えることが、今行うべきことと思います。

2月になれば、新しい経口薬が使用できるかもしれません。

1月12日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。

新型コロナウィルス感染症は後1ヶ月が正念場です。

変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、爆発的な感染拡大が起こっています。

オミクロン株は3回目のワクチン接種である程度の感染は抑えられるものの、抗体の減少速度からみて、感染抑制効果は数ヶ月も持たないことが予想され、ワクチン接種だけでは感染拡大は防げないと思います。

実際に米国で医療従事者の10%が感染したという報告や沖縄で300人以上が感染あるいは濃厚接触者になった事実を考えると3回目のワクチン後のブレークスルー感染も一定数いると思われます(医療者は3回目の接種が終わっていると思われます)。

米国や欧州では20万から100万人の新規感染者数となっていますが、死者が数百人から千人程度であれば、医療崩壊が起きていないという報道もあります。米国では既に3000万人以上が感染し、毎日100万人のペースで新規感染者が出てくる、そしてワクチンの効果が限定的であれば、コロナウィルスに対する政策の方向転換が余儀なくされます。

一定の死者が出ても集団免疫を得ていくという方向に変わっていっても不思議はありません。

一方、日本も10万人程度の新規感染者が出てくる可能性は否定できません。しかし、日本での死者は現在10名以下です。オミクロン株拡大と引き換えに集団免疫を得ていく過程で死者が数百人になることは日本社会では受け入れがたいと思います。

2月になれば新しい飲み薬が承認されます。これはオミクロン株にも有効であることが期待されます。

後1ヶ月が正念場です。医療従事者がこれほど感染しているということは、空気感染に近い感染が多数起こっているはずです。医療者はマスク手洗いもしっかりしているはずです。

マスク手洗いだけでは防げません。リモートワークを推進し、特に密閉を避けてください。

 

1月9日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。

数年後の新型コロナウィルス感染症に対する選択

明けましておめでとうございます。

新型コロナウィルス感染症の新規感染者数が増加に転じています。第6波が近々来ることは避けられない状態です。

変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、感染力が4倍程度増加したと報道されています。

「数年から10年程度で新型コロナウィルスはいつか従来の風邪ウィルスレベルの重症化しかもたらさないウィルスに変化していくこと」は、従来から言われていました。一般的にウィルスは、ウィルス自体が繁殖していくために、感染力は増す一方重症化しないように変異していくことが予想されています。もし、強毒性になれば、ウィルスに感染した人は他人にうつす前に死んでしまいます。そうするとウィルスの伝搬性は減少するのです。

 

オミクロン株が弱毒化したことは朗報ですが、不顕性感染が増加すれば、無症状の患者さんが、世の中にウィルスを撒き散らすことになります。多くの無症状の患者さんを見つけ出すことは事実上できないので、弱毒化と感染者数の増加は表裏一体の現象です。そうであれば、感染者の隔離などのハードルを下げなくては社会システムが回らなくなります。ロンドン在住の後輩の先生から聞きましたが、ロンドンではミクロン株に置き換わり、重症者数は増えないものの、感染者が多いと鉄道や医療の就労者の確保ができなくなってきているとのことです。入院患者数の増加ではなく感染による医療就労者数の減少が医療崩壊を起こします。

 

そもそも従来の風邪ウィルスの感染力はどの程度のものなのでしょうか?私は従来予想されているより遥かに高い感染力があると考えています。風邪はウィルスが原因ですが、新規に感染してから発症するためには少なくとも数時間はかかるはずです。しかし、湯冷めで風邪をひく、コタツで風邪をひくなどは1時間以内に症状が出ることも稀ではありません。私の仮説では多くの方が既に風邪ウィルスに不顕性感染をしていて、「湯冷め」に対しての免疫力の低下が起こると直ちに症状が出るのではないかと考えています。冬には多くの方が不顕性感染になっていると考えています。

 

「数年から10年程度で新型コロナウィルスはいつか従来の風邪ウィルスレベルの重症化しかもたらさないウィルスに変化していく」とすれば、どこかのポイントで隔離基準の大幅な見直しが必要となります。これには正解がなく、国際基準などに大きく影響を受けると思われます。死者や重症者を出さず、社会システムを維持する選択は政府にとって最も大きな課題になるでしょう。

 

1月2日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。

 

新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬の手に入れ方

新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬が承認され、今年中にクリニックでも処方可能になるというニュースがあります。私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックでも新型コロナウィルス感染症患者さんを拝見しているので、このニュースは朗報でしたが、現場での問題点を12月20日のブログに掲載しました。

 

12月20日の時点では、全く先が見えませんでしたが、「経口治療薬の手に入れ方」がわかりました。

経口治療薬モルヌピラビルを処方するには、処方を希望するクリニックが発売元のMSDにも連絡します。するとモルヌピラビルを扱う薬局がわかるそうです(ここまではクリニックがすることなので患者さんには関係ないかもしれませんね)。

 

コロナ疑いの患者さんは登録されているクリニックを受診します。

PCR検査でコロナ陽性で、その患者さんが合併症をお持ちでモルヌピラビルを投与の適応となった場合、クリニック主治医から薬局に処方箋をFAXされます。

 

私が、問題視していたのは

  • 薬局にモルヌピラビルがあるか?
  • 薬局にモルヌピラビルを誰が取りに行くか?(ご家族も濃厚接触者となり、外出が制限されるため)

でした。晴海トリトン内の薬局に問い合わせたところ、「薬局としてモルヌピラビル薬剤調整の申請をし、登録されれば、モルヌピラビルをおくことが可能。陽性患者さんには個人情報の確認後、バイク便で置き配する。」とのことでした。

 

これならば、すぐに処方ができそうです。年内の慈恵医大晴海トリトンクリニックは明日までですが、薬局に薬剤が到着し次第、対応できるように準備したいと思います。

 

12月27日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。