時代を覆っていた空気

先日、ノーベル賞作家の大江健三郎さんが亡くなりました。

ノーベル賞文学賞といえば、毎年、村上春樹さんが受賞するのではないかと騒がれますね。

私は、若い頃から村上春樹さんのファンでした。良く、村上春樹さんが経営するパブに足を運びました。

 

ご存知のように日本で初めてノーベル賞文学賞を受賞された川端康成さんです。川端康成さんは1972年に72歳で自殺しました。その時、私は14歳でした。中学の授業で「正当化される自殺はあるのか?」というテーマで話し合ったことを覚えています。

実は、その2年前の1970年には三島由紀夫さんが自殺しています。その時、三島由紀夫さんは45歳でした。三島由紀夫さんは市ヶ谷の自衛隊で自殺したのですが、私は自衛隊の近くにある九段中学に通っていて、三島さんが自殺した日は、丁度、社会科見学の帰り道で、私たちの乗っているバスは立ち往生してしまいました。それは私にとっては、今でも鮮明な記憶になっています。

お二人の小説家が自殺を選んだ理由の1つとして、自分の体や精神が老いていくこと自体に対する嫌悪であったと説明している人がいました。

私は、64歳ですが、まだまだ若い人と同じように思い悩みます。

川端康成さんが亡くなった当時は人生70年時代でした。私と然程、年齢は変わりません。

ご存知のように今は人生100年時代です。

当時は何も感じませんでしたが、その時代を覆っていた空気に思いを巡らした1日でした。

 

2023年3月30日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。