医師の性差による問題

現代は性差よって画一的な意見を述べることはリスクがあります。特に性差問題に関する教育を受けていない私が、医師の精査問題を述べることは覚悟がいることです。

 

数年前に医学部受験で女性に比べて男性が加点されていることが、大きな問題となりました。文科省の指導があり、ほとんどの大学が受験における性差別を排除しています。

 

しかし、医療ではその仕事の適正によって、性差を考えなくてはならない場面があります。大きな外科手術では筋力・体力が必要ですし、心臓カテーテル検査は、被曝することから女性医師に敬遠されることが多いです。

 

一方、患者さんの話を聞く能力は女性の方が優れているという印象を持ちます。私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックでも内科は女性医師が多くを占め、年配の女性の腰痛や膝痛の話をゆっくり聞いていることに頭が下がります。

 

乱暴な分け方ですが、力が要る科は男性が、話を聞く科は女性が適している傾向があると思います。

ところが、一つの科で、力と聞く作業の両方が求められている科があります。産婦人科です。大手術は体力が必要ですが、外来は患者さんにも女性が好まれるケースが多いと思います。

大学病院で手術の名人で著名な産婦人科の教授が、引退後に産婦人科で開業すると全く患者さんが来ないというのはよく聞く話です。

体力のある男性も歳をとると外来中心になりますので、主治医に女性を選ぶ患者さんが増えると長く働くことができなくなるのです。

そのようなことを見越して男性医師が産婦人科を目指さなくなると現在の医療の水準が保てなくなる気がします。

 

医療界はタブーを打ち破ってこれらの問題を考える必要があると思います。

2022年4月11日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。