日本人の話の進め方が変わってきています。

言語のグローバル化が進み、日本人の話の進め方が変わってきています。私たち日本人は、従来、起承転結で物事を説明することを教えられてきました。その様な話し方が論理的でオフィシャルであると思われていました。しかし、欧米人は最初に結論を話してからその細部を説明します。英文のパラグラフでは1番最初の文で言いたいことを示していることが一般的です。日本人でも若い世代では、そのような教育を受けているかもしれませんが、「起承転結世代」は、様々な条件を説明してから結論を述べることになれています。様々な条件を述べずに結論を述べてしまうと取り返しがつかない感じさえします。

この流れは音楽でも感じられます。以前の音楽、例えば寺尾聡さんや松田聖子さんの曲を聞くとイントロが長いことに気が付きますが、今のKing GnuONE OK ROCKではイントロがありません。

「起承転結世代」も準備すれば、最初から結論を話すことは出来ますが、議論の中では難しいと思われます。最初から結論めいたことを話すことはストレスでしょう。

患者さんの切羽詰まった質問に、直ぐ返答しなくてはならないことも良くあります。

そんな時に私が行っている2つの手法を紹介します。

1つ目は、先ず相手の言うことに同調することです。同調した後に意見を言うことで相手も待たされた感じもしませんし、受け入れも良くなります。

2つ目は、印象を最初に述べるやり方です。「何となく正しい感じもしますが、何か引っ掛かります。」と最初に述べて「どうしてかと言えば~」と話を続けます。

最初に善悪を言ってしまうと後で、否定できなくなりますが、印象であれば否定することも可能です。「何となく正しい感じもしますが、何か引っ掛かります。」と最初に述べて、話を続けていくうちに「キチンと考えるとその通りですね。」と肯定することも出来ます。

リモート会議が多くなり、直ぐに意見を求められる時に、ご参考になればと思います。如何でしょうか?

 

※2020年10月21日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。