新型コロナウィルス感染症により様々な領域が変化すると思いますが、医療は元々、感染症と戦うことで進歩してきました。
しかし、この問題が解決し、1960年ごろから心筋梗塞、脳卒中、癌へ焦点を当てた医療が主流となってきました。
心筋梗塞、脳卒中のリスク軽減のため高血圧や糖尿病の治療薬が次々と開発され、癌の診断のためCTや内視鏡が発達しました。
しかし、21世紀になると心筋梗塞、脳卒中、癌は慢性疾患となり、寿命は劇的に伸び人生100年時代が到来しました。
人生100年時代では慢性疾患は老化現象と強く関連し、生命財産として自分の健康を捉えて行かないといけないというパラダイムシフトが起きました。
今回新型コロナウイルス感染症の拡大で、高血圧や糖尿病の患者は新型コロナウイルス感染症の致死率が高いことが明らかになりましたが、今後は、高血圧や糖尿病が心筋梗塞、脳卒中のリスクのみでなく感染症のリスクであるという考え方が定着するでしょう。
私は高血圧や糖尿病の専門家として、また、行動変容外来を国内で初めて開始した者として、2019年に「健康をマネジメントする」という本をC.C.C.メディアハウスから出版しました。