With corona時代のメンタルシフトと10の方法①

講談社現代ビジネスにWith corona時代のメンタルの持ち方について寄稿した【巣籠生活をマネジメントできる人が「自己肯定感」を大切にする理由】」が掲載されました。

gendai.ismedia.jp

 
本日からこの記事に関連し、With corona時代のメンタルシフトと10の方法についてご紹介したいと思います。

新型コロナウィルスの感染拡大する中、将来に希望が持てなくなっている方がいらっしゃると思います。
特に、大きいのはBefore coronaの世界にはもう戻れないかもしれないという不安です。

その不安を感じる理由は、今回の新型コロナウィルス感染症は必ず収束しますが、また別の新規感染症が出現する可能性があるからです。
そのため、子どもの頃、日が暮れるまでトンボを追いかけていた日常が大人になって帰ってこないことを嘆かなくなったように、私たちはWith coronaの今、After coronaを見据えて、メンタルシフトをする必要があります。
失われた子供の頃を回顧するようにBefore coronaに戻れるかどうかを考えることは不確実なことが多すぎて不安から逃れられなくなることがあります。

現在と過去を楽観的あるいは悲観的に捉えることにより、ヒトの気持ちは4つに分けられます。
① 過去を悲観的に捉える:リスクを避けるために反省し、次に備えるタイプ
② 過去を楽観的に捉える:昔話を楽しく話すお年寄りのイメージです
③ 将来を悲観的に捉える:まさにコロナワールドの人々です
④ 将来を楽観的に捉える:どの様な困難な状況でも将来に光をみる人がいます

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人は通常、将来を悲観的に捉えることを自然と避けていますが、日常では生まれた時から死に向かっている必然や、何時か地震が起きることを考えることをしていません。
これは、自分を損なわないために人が行っている習性です。
しかし、今は将来を悲観的に捉えてしまう状況ですが、それに対応し、将来を楽観的に捉えるために、自分を損なわないメンタルシフトが大切です。

私が実践しているメンタルシフト法は以下になります。

(メンタルシフト法)
1. 辛い時、悲しい時はそのことを心の外側から見る
2. ネガティブな思考に陥った時は、その反対側から物事を見てみよう
3. 空間軸と時間軸を利用しよう/貴方は貴方のままで良い
4. 気分が落ち込んだ時は、"気分が良くなる"もののリストを作ろう
5. 他人のことがイラついた時は、誰かのために何か親切な行いをしてみよう
6. 自分の置かれた状況に不満を感じた時は、感謝の気持ちを行動に示してみよう
7. やる気がなかなか出ない時は、まず10分間何かをやってみよう
8. 自分の時間割を作ってみよう
9. 心配ばかりが湧いてくるなら、心配する時間を区切り、一日のスケジュールに入れてしまおう
10.それでもダメなら走ってみよう

本日はこの中から
1辛い時、悲しい時はそのことを心の外側から見る
2. ネガティブな思考に陥った時は、その反対側から物事を見てみよう
について解説します。

1. 辛い時、悲しい時はそのことを心の外側から見る

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大切な人を失くした時、自分に失望している時、どうしてもやる気にならない時は、その気持ちが自分の内側から湧き出てきて収拾がつかなくなることがあります。
「何故こんなことになってしまうんだろう?」と堂々巡りになり、何を悩んでいるかわからなく、海の奥深くに閉じ込められたような感覚になることもあると思います。

そんな時は「私は悲しんでいる。」「涙がこぼれ落ちる。」など言葉に出して自分の感情をラベリングすることが痛みを和らげてくれます。自分を外側から実況中継するようなイメージです。
声を出して、なるべく正確に自分の状況を把握してみましょう。

これは、マインドフルネスという心を"今"に向けた瞑想と繋がる部分があります。
マインドフルネス瞑想は、脳を活性化させ、交感神経を抑制し、ストレスをリリースする効果があります。
たとえばユックリ入浴して、軽く目を閉じて、体のどの部分から温まってくるかに集中してみましょう。

目は軽く閉じるか、薄く開けて斜め前を見るようにします。
目を閉じると言う意志や意味には目を向けず、目を軽く閉じているという現象を作るのです。

手の指の間から温まってきたら、心の中で「ポカポカ、ポカポカ」と実況してみます。呼吸はコントロールせず、そのとき一番したいように呼吸するようにします。

雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、「戻ります」と言って、再び体の温まり方に意識を戻します。

ネガティブな感情には名前を付けておくことも有効です。
たとえばJackのように名前を付け、ネガティブな感情になりそうな時は「Jackが来た。」と思い、その感覚を外側から見ることが有用です。
そして自分の外側にあり、自分がどうにもならない出来事には興味を持たないという選択がストレスから解放してくれます。

 

2. ネガティブな思考に陥った時は、その反対側から物事を見てみよう

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もし、そのストレスを自分の外側に漂わせることが出来ないのであれば、そのストレスを与える事柄の見方を変えてみましょう。
人は自分の眼鏡を通して物事を把握しています。そのことに自分自身は気が付きません。
同じものを見ても感じ方は違います。ワインの瓶に半分のワインがある時に「もう半分飲んでしまった。」と考えることも「まだ半分もある。」と考えるのも自由です。

ネガティブな考え方に落ち行った時、全く逆の見方を想像してみて下さい。それを列挙して下さい。
例えば失業してしまった時に自分を磨く時間の使い方、自分の見方になってくれる救世主の存在、時間を十分に使った人生の楽しみ方等から生まれるものやチャンスの可能性を考えて行きましょう。

また、尺度を使うことが有効です。今の幸福度は10点満点中何点でしょう?
「嫌なことばかりで2点ぐらいかな?」と考えた時に、「何故0点にしなかったか?」を考える習慣です。
例えばコロナでの外出自粛で失ったものはありますが、満員電車の辛さなどを逃れるというプラス面もある筈です。

失っているものでなく、残っている幸せに目を向けてみましょう。 

※2020年5月12日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。